潰瘍性大腸炎の治療薬
潰瘍性大腸炎の治療薬にはさまざまな選択肢があり、重症度や個々の患者さんの状態に合わせて選択されます。
潰瘍性大腸炎の薬物療法について
潰瘍性大腸炎の薬物療法の主な目的は、大腸の炎症を抑えて症状を鎮め寛解に導くこと(寛解導入)、そして寛解を維持することです(寛解維持)。近年では、生物学的製剤の登場など治療の進歩により、新しい治療目標として、症状を鎮めるだけにとどまらない粘膜治癒まで目指した治療が注目されています。
どの治療薬を選択するかは、潰瘍性大腸炎の重症度や個々の患者さんの状態や希望を考慮して、選択します。
潰瘍性大腸炎の治療薬の種類
治療薬の種類 |
特徴など |
5-ASA製剤 |
- 有効成分である5-ASAが炎症を起こしている部位に直接届き、炎症を抑える薬です
- 主に軽症~中等症の患者さんで、寛解導入と寛解維持のために用いられます
- 経口剤、坐剤、注腸剤があります
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ステロイド |
- 活動期の炎症を抑える薬で、寛解導入に用いられ、強力な炎症抑制作用を示します
- 寛解を維持する効果は認められていないため、寛解維持療法には使用されません
- 経口剤、注射剤、注腸剤、坐剤があり、病型や重症度に応じて使い分けます
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α4インテグリン阻害薬 |
- 炎症を引き起こすリンパ球という免疫に関わる細胞が、大腸の炎症部位に集まることを抑える薬です
- 中等症の患者さんで、5-ASA製剤による治療で十分に効果が得られない場合に用いられます
- 経口剤です
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免疫調節薬 |
- 潰瘍性大腸炎では腸管の免疫システムが異常反応を起こしていると考えられています
- 免疫調節薬は、腸管の異常な免疫反応を調節する薬です
- ステロイドの減量・中止にともなって症状が悪化する場合に用いられます
- 経口剤です
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免疫抑制薬(カルシニューリン阻害薬) |
- 腸管の異常な免疫反応を抑制する薬です
- ステロイドで効果が得られない患者さんの寛解導入に用いられます
- 注射剤、経口剤があります
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生物学的製剤 |
- 生物学的製剤は、遺伝子組換え技術などを用いて作られた薬で、体にある抗体や受容体、細胞表面の分子などと同じ構造をもつタンパク質です
- 体の免疫機能に関わる物質である「サイトカイン」や、免疫細胞に発現しているタンパク質などの働きを抑えます
- 中等症~重症の患者さんで、ステロイドなどこれまでの治療で十分に効果が得られない場合に用いられます
- 作用の違いによって、抗IL-12/23抗体製剤、抗IL-23抗体製剤、抗TNF-α抗体製剤、抗α4β7インテグリン抗体製剤があります
- 注射剤です
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JAK阻害薬 |
- サイトカインの過剰な産生を抑える薬です
- 中等症~重症の患者さんで、ステロイドや生物学的製剤などこれまでの治療で十分に効果が得られない場合に用いられます
- 経口剤です
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5-ASA製剤 |
- 有効成分である5-ASAが炎症を起こしている部位に直接届き、炎症を抑える薬です
- 主に軽症~中等症の患者さんで、寛解導入と寛解維持のために用いられます
- 経口剤、坐剤、注腸剤があります
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ステロイド |
- 活動期の炎症を抑える薬で、寛解導入に用いられ、強力な炎症抑制作用を示します
- 寛解を維持する効果は認められていないため、寛解維持療法には使用されません
- 経口剤、注射剤、注腸剤、坐剤があり、病型や重症度に応じて使い分けます
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α4インテグリン阻害薬 |
- 炎症を引き起こすリンパ球という免疫に関わる細胞が、大腸の炎症部位に集まることを抑える薬です
- 中等症の患者さんで、5-ASA製剤による治療で十分に効果が得られない場合に用いられます
- 経口剤です
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免疫調節薬 |
- 潰瘍性大腸炎では腸管の免疫システムが異常反応を起こしていると考えられています
- 免疫調節薬は、腸管の異常な免疫反応を調節する薬です
- ステロイドの減量・中止にともなって症状が悪化する場合に用いられます
- 経口剤です
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免疫抑制薬(カルシニューリン阻害薬) |
- 腸管の異常な免疫反応を抑制する薬です
- ステロイドで効果が得られない患者さんの寛解導入に用いられます
- 注射剤、経口剤があります
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生物学的製剤 |
- 生物学的製剤は、遺伝子組換え技術などを用いて作られた薬で、体にある抗体や受容体、細胞表面の分子などと同じ構造をもつタンパク質です
- 体の免疫機能に関わる物質である「サイトカイン」や、免疫細胞に発現しているタンパク質などの働きを抑えます
- 中等症~重症の患者さんで、ステロイドなどこれまでの治療で十分に効果が得られない場合に用いられます
- 作用の違いによって、抗IL-12/23抗体製剤、抗IL-23抗体製剤、抗TNF-α抗体製剤、抗α4β7インテグリン抗体製剤があります
- 注射剤です
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JAK阻害薬 |
- サイトカインの過剰な産生を抑える薬です
- 中等症~重症の患者さんで、ステロイドや生物学的製剤などこれまでの治療で十分に効果が得られない場合に用いられます
- 経口剤です
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2025年2月現在